【不動産と税金】No.002「平成25年度税制改正大綱から」

 去る1月29日に「平成25年度税制改正大綱」が閣議決定され今国会で審議中である。

   既に多くの税理士さんのホームページで概要が整理されているので正確なところは専門家にお任せするとして、ここでは「資産課税・相続税」の中でも特に不動産に関連する「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」の見直しについて検討していきたい。(尚、検討にあたっては検討対象の不動産以外の金融資産等は一切考慮していない。)

   これまで、多くの人にとっては居住用宅地に関する相続税はあまり関係のないこととして軽視されがちであったが、今回の改正により、基礎控除の定額控除が現行5,000万円から3,000万円に引き下げられることから、従来と比較して影響を受ける対象者が増えることは間違いない。大豪邸に住んでいなくとも被相続人が都内の比較的に地価の高い地域に居住用資産を保有し、それが相続の対象となった場合には相続税が発生する可能性が出てきた訳だ。

   ただし、税制ではこれまでも「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」が設けられており、この特例により従来は大多数の場合に課税価格が基礎控除以内に収まり実際に課税されるケースは少数であった。そして今回の税制改正大綱の中では、この特例制度の適用対象面積が330㎡(現行240㎡)までの部分に拡充されている。

   この特例を適用することで、実際は330㎡(100坪)程度の居住用宅地を相続しても課税価格は大幅に下がり従来同様に基礎控除内となるケースが多くなると予想され、実際の負担増とはなりにくいと思われる。

   むしろ今回の改正のポイントは、この特例の適用対象が面積的だけでなく用途的にも拡充されたことである。 事業用等宅地と居住用宅地を両方保有している場合に、従来は実質的にどちらかの限度までしか特例の適用が認められなかったものが、今回の改正で「それぞれの適用対象面積まで適用可能」とされた。

   このことにより、330㎡以上の居住用宅地を保有している場合に、将来の相続に備えて、その一部を事業用宅地に転換等することによりトータルの課税価格を下げることが出来るかもしれないということだ。

   尚、弊社では税務相談は受け付けておりませんので信頼できる税理士さんと相談して下さい。